プロジェクト
新人ハンター研修会の開催
平成26年度猟区を活用した野生動物管理手法検討委託業務
猟区の活用とハンター育成の必要性
丹沢大山ではニホンジカが増え、自然植生への影響や農作物被害が発生しています。シカを減らす取り組みが展開され、「管理捕獲」(※1)による捕獲数は増えているものの、ハンターの減少と高齢化により、神奈川県内の猟区(※2)での「狩猟」による捕獲数は減少傾向にあります。猟区利用の減少により、猟区の運営は厳しい状況にあります。
近年、ジビエなど狩猟への関心が高まっており、神奈川県では狩猟免許取得者は増加傾向にあります。一方、「免許は取ったがどうやって狩猟をしたらいいか分からない」「狩猟の知識を教えてくれる人が周りにいない」という声もあり、ハンター育成講座のニーズが高くなってきています。
※1 管理捕獲・・・鳥獣保護区を中心とした捕獲。県から委託された狩猟団体が実施。
※2 猟区・・・入猟者数、入猟日、捕獲鳥獣の種類や捕獲数などルールが定められ、有料で狩猟ができる区域。地方公共団体等が管理・運営を行う。神奈川県では丹沢大山周辺に4つの猟区がある。
新人ハンター研修会の企画・開催
今回の業務では、猟区の利用促進と、ハンター育成を目的とした試行プログラムとして、「新人ハンター研修会」を開催しました。
研修会には県内在住者を中心に73名(定員の3.7倍)の参加応募があり、初心者向け研修会のニーズの高さをうかがわせました。
研修会では、狩猟の知識を得るだけでなく、ベテランハンターと参加者が気楽に話せる雰囲気をつくり、参加者同士や講師と交流することで、狩猟を始めるハードルを下げるように心がけました。
参加者アンケートの結果より、研修会の満足度は高く、特に交流会は好評でした。基礎知識を学ぶだけでなく、猟の現場を歩き、ベテランの経験談を聞き、仲間づくりができたことが特に評価されました。
【研修会の概要】
開催日時:平成27年9月27日(日)9:00〜15:00
開催場所:山北町三保猟区内(丹沢湖畔の山北町三保地域)
対象者・定員:狩猟経験の浅い人や未経験者、これから狩猟免許取得予定の人・20名
参加者:24名(男性22名、女性2名)
講師:地元のベテランハンター3名
参加者は30代を中心に、20代から60代の計24名が集まりました。スタッフや参加者の自己紹介を行った後、山北町の猟区の概要やグループ猟の基礎知識を説明しました。
地元のベテランハンターとともに猟場を歩き、獲物の足跡を観察したり、獲物を待っている時の心構え、獲物のねらい方、仕留めた後にすることなどを学びました。
昼食は、ベテランハンターのご厚意でシカ汁が提供され、参加者からは「臭みが全然なくて美味しい」と好評でした。
狩猟時の注意事項、必要な道具や装備など、講師の体験談を交えながら、参加者が気軽に質問できる時間を設けました。「リュックはどのくらいの大きさがいいか?」、「初心者向けの銃は何がいいか?」など様々な質問が飛び交い、講師と参加者同士の交流を深めることができました。